私の嫌いな「ポートフォリオ理論」

私は金融機関で働いているし、ファイナンスを勉強しているけど、いわゆるポートフォリオ理論があまり好きではないです。

 

モダン・ポートフォリオ理論とは、簡単に言えば、すべての証券の価格はあらゆる情報を反映して成り立っているような効率的な市場では異なる動きをする銘柄をポートフォリオに多数入れることでリスクを分散出来る。だから個別銘柄を分析して運用(アクティブ運用)するより、全ての銘柄に投資する運用(パッシブ運用)の方がいいよね、という理論です。

 


よく株式や投資信託のセミナーでよく聞く言葉で「卵はひとつのかごに盛ってはいけません」というやつです。なぜ、ポートフォリオ理論が嫌いかと言うと、「本当に市場は効率的ですか?」という疑問があるのと、みんながインデックス運用に流れてしまったらつまらないし、夢がない、と感じるからです。


私は世界一の投資家であり、経営者でもあるウォーレン・バフェットが好きですが、そのバフェットの特徴といえば、集中投資です。


彼は21歳のときに自己資金の75%もただ1社の保険会社GEICOに投じたのが集中投資の始まりですが、今でもコカコーラ、ウェルズファーゴ、アメリカンエキスプレス、IBMのたった4社でバークシャー・ハザウェイポートフォリオの半数を占めています。


バフェットの言葉でこんな名言があります。

「もし市場が常に効率的だったら、私は今頃街角に座り込んで物乞いをしているはずです。」


そう、集中投資にこそ運用者の価値があると思うのです。
もし、あなたが今自由に使える100万円持っていたとして、日経平均株価のETFかバフェットが運用している投資信託(仮の話です)の2択から選べたらどうしますか?
私だったらもちろんバフェットファンドです。夢がありますよね。そのような投信があったらバカ売れだと思います。


株式投資はギャンブルではありません。業界や個別企業を徹底的にリサーチし、経営者の手腕や成長性、業績、現在の株価の妥当性など様々な側面から企業を捉え、投資するか否かを決断する。その過程には当然、深い知識や経験が必要であり、運用者はそれぞれ哲学があります。そんな「この運用者にかけてみたい!」と思えるファンドがどんどん育ってほしいなと思っています。


今は、まだまだ日本の投信は運用者の顔が見えませんが、例えば渋沢栄一の子孫である渋沢健さんが会長のコモンズ投信さんとかは、30銘柄の集中投資でいいパフォーマンス出していらっしゃいますよね。こんな投信はもっともっと認知度があがってほしいと思っています。

 
私はこう言いたい。

「かごは一つでいいから、金の卵を集めよう。」