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機械との競争(☆☆☆)

機械との競争

 

前の記事「今年は読書だ!」と勢い勇んで書店へ行ったのだけど、本の自己主張にやられて何も買えなかったという話 で書いたように昨日書店で本を買うことが出来なかったのだけれど、今年一冊目の書籍を別に読んだので書評として残すことにする。

 

今週は「機械との競争」。
経済誌の書籍ランキングに入っていたので気になっていて、自分自身これまでテクノロジーやものづくり系の接点がなくて知識も疎いのでその補完になればという思いも込めて読んだ。


まず第一印象。
写真の通り機械を意識したメタル系の派手なカバーなのでけれど、正直言ってページが非常に硬くてめくり難い。内容があるのに物理的にとても読みにくいのがとても残念。

 

内容に移ると、
著者は米MITのエリック・ブリニョルフソン教授とアンドリュー・マカフィー氏の二人で内容はリーマン・ショックから米国では景気回復が進んでいるのだが雇用の回復が鈍いのはなぜかを調べており、その理由の一つとして「テクノロジー失業」という新しい病気の可能性があることを示唆している。

 

デジタル技術などのテクノロジーの進化は指数関数的に加速度的に成長する可能性があり、そのスピードは私たちが想像をはるかに超えると予測。その根拠をムーアの法則とチェス盤の法則を使って、読者の興味をそそる感じで書いている。(私はあまり惹かれなかったのだけど。)そしてそのテクノロジーの進化が潜在雇用ニーズを減らしている可能性があるということを言っている。

 

かなり噛み砕いて言えば、

テクノロジーの進化は凄いぞ。ドラえもんの世界では便利な道具、機械、コンピューターがたくさんあって人間は楽して暮らせる。でもそれが意味するのは人間にしかできないことは減っていくので、みんな失業しちゃうよ

 ということ。


可能性はあるかもしれないとは思う。
最近、私が気になったのはAmazonが開発しているこの技術。


米アマゾンの無人機配達サービス、実現したらこんな感じ - YouTube

 

注文が来たら無人機で自宅まで届けるというサービスで実用化へ向けて動いているとのこと。かなり障壁はあると思うが、こんなのが当たり前の世の中になったら、運送業者が要らなくなる。電機自動車が完全に普及すればガソリンスタンドが要らなくなるし、ほんやくコンニャクがあれば語学は勉強しなくていいし、私が来週受けるTOEICはいらないし、通訳はいらなくなる(これはドラえもんの世界)。

 

そんな世界が訪れると雇用はどうなるのかと言うと、本書ではごく一部の知的エリートと、肉体労働者に二極化されると書いている。そしてその時代を生き残るには今のうちに教育起業家精神の醸成通信インフラ投資拡大などをやるべきだとしている。個人的には打ち手のところは正直微妙だと思ったのであまり印象に残っていないのだが。

 

全体としての感想は、なんとなくまだ漠としていて手触り感の無い感じ。

これまで人類は三度の産業革命に直面していて、一度目は18世紀半ばからの蒸気や石炭を動力源として工場制機械工業の発展、二度目は19世紀末からの電気を動力源として重工業中心の発展である。そして三度目はまさに今であり情報通信を基本とした産業の発展と言われているのだけれど、どのような時代においても、時流に適合しなくなるビジネスは存在するので余剰削減されてしまう雇用は必ずある。ただ一方で新しく成長していく産業も出てくるため新しい雇用ニーズは生まれてきているので「テクノロジーの進化→雇用ニーズ減」という論理は少し乱暴な印象は受けた。もちろんこのような警鐘を鳴らす人が必要で、リスクには備えが必要でありのだから著者を否定する訳ではない。

 

本書を読んでむしろ技術革新というテーマに日本がどれだけ米国をはじめとする世界と戦うことが出来るかが個人的な興味であり、懸念でもある。かつて日本の十八番であった「もの作り」がなんとなく最近、影が薄くなっているような気がしているのだけど、その懸念を払拭し、世界の第一線と伍して戦える土壌作りのために、アベノミクスの「第三の矢」を今年しっかりと打ち抜いて欲しい。

 

最後に僭越ながら、

昨日の私ではないが読書したいけど何を手にしたらよいか悩んでいる人のために参考になればと思い、私なりの評価をさせていただきたいと思います。何度も言いますが個人的な感想です。

 

「機械との競争」の評価は☆☆☆(星三つ:MAX5つ星)とします。