幸せの「フロー」

「幸せを満たすにはどうしたらいいか?」とアメリカの心理学者チクセントミハイ博士が自らに問い続け、心理学に答えを求めます。研究を続けていくと、お金持ちになったり、出世したりという「社会的成功」だけでは、幸福感が満たされないと気付きます。

 

創造的な活動や高い技術力を必要とする仕事などに没頭しているとき、人々は疲れを知らず、時間を忘れ、活力と喜びと永続的な幸福を体験することがあります。それを博士は「フロー」と名付けました。幸福感を満たすには、自分の中からこみ上げてくる喜びや楽しさで満たされるような「人間的成功」が必要だと。

 

 

子供の時に、よくありましたよね。時間も忘れて物事に熱中すること。

フローは「忘我の境地」ともいいますが、まさに「自分を忘れる」ような感覚。自分がこうなりたいとか、人間関係、タイムマネジメント、そんなことは一切忘れて目の前のことにただ取り組み、心と体が調和する。そして肉体的、心理的エネルギーが発散されて、最高潮に達する状態です。

 

子供だけのものでもありません。

スポーツの世界で使われる「ゾーン」という言葉も同じことを表しているのだと思います。打撃の神様と言われた巨人の川上氏が「ボールが止まって見えた」と言ったように他の思考や感情を忘れてしまうほど、競技に没頭しているような状態において、人間はその潜在能力を爆発させます。

 

大人になっても、「フロー状態」になりたいですよね。お酒を飲んで「忘我の境地」へ行くのではなく、何かに没頭して我を忘れたい。マッサージ行ったり、おいしいもの食べたり、旅行に行ってリラックスするだけではなく、心と体の充実感を味わいたいなと思います。

 

ではどうしたら「フロー状態」に入れるか。

チャーリーン ベリッツ著の「パワー・オブ・フロー」では、フローを生み出す9つの心の法則が書かれています。そこには、

 パワー・オブ・フロー

1. 物事に真剣に関わる。

2. 自分に素直になる。

3. 勇気をもつ。

4. 情熱を忘れない。

5. 今、ここに生きる。

6. 心に壁をつくらない。

7. 物事をあるがままに受け容れる。

8. 前向きに生きる。

9. 信頼する。

 

9つが紹介されています。すごくシンプルですね。物事に対して、最初から穿った見方で捉えたり、損得勘定だけで考えたり、天秤にかけるのではなく、まずは一度全部を真っ白な心で受け入れてトライしてみる。そんな純粋さが大事かなと感じました。

 

しかしながら「大人の社会」では、人間関係、上下関係、ストレス、プレッシャーなど 「純粋な心」の邪魔をする要因がたくさんあるので、なかなか簡単にはできるものではありませんが・・・。これは自分にとって大きな課題です。最近フロー状態に入っていないかもしれない。