集中するために準備すること

仕事も勉強も「集中力」はとても大事。集中している時が一番はかどりますよね。

 

以前に少し書きましたが「フロー」という言葉があります。
フロー状態に入ると、創造的な活動や高い技術力を必要とする仕事などに没頭しているとき、人々は疲れや時間を忘れ物事に熱中することが出来ます。

 

フローは「忘我の境地」ともいいますが、まさに「自分を忘れる」ような感覚。余計な事は一切考えず、一心不乱に目の前のことに取り組めむ肉体的にも精神的にも最高潮の状態です。

 

再掲ですが、どうしたら「フロー状態」に入れるかはチャーリーン ベリッツ著の「パワー・オブ・フロー」でフローを生み出す9つの心の法則が書かれています。

 パワー・オブ・フロー

1. 物事に真剣に関わる。

2. 自分に素直になる。

3. 勇気をもつ。

4. 情熱を忘れない。

5. 今、ここに生きる。

6. 心に壁をつくらない。

7. 物事をあるがままに受け容れる。

8. 前向きに生きる。

9. 信頼する。

このすごくシンプルな9つが紹介されていますが、物事に対して純粋に素直に真っ白な心でスッと入っていく感じでしょうか。そんな純粋さが大事なような気がします。

 

しかし子供の頃はこの「フロー状態」はよくあったと思いますが、大人になってからは少なくなったように感じます。実際のところ、なかなか難しいものです。集中のスイッチを入れるのも、持続するのも、集中が切れた時に再度繋ぎ直すことも。

 

ちょうど今、私はピッチをあげて勉強しなければいけない時期なので、この「集中」というテーマと戦っているところです。

 

そして今日TVをつけたら、昔放映された番組の再放送でトリノ五輪の金メダリスト荒川静香さんが出ていて、とても興味深い部分がありました。


それは「集中するために準備すること」

 

オリンピックという大舞台で結果を出すには、普段練習してきたことを100%出し切らなければ、いい結果はついてきません。金メダリストを取った荒川さんはとても冷静沈着に見えますが、意外にも競技中に集中力を欠いてしまうことがあったそうなのです。例えばジャンプが成功した時点で「これでメダルいけそうかな」とか、本当に集中が途切れてしまう時には「家のカギ掛け忘れていないかな」と考えてしまうこともあったそうですよ。

 

それを回避するために荒川さんのとった対策はオリンピックの1か月前から、「この場所ではこれを考える」、「次にはこれを考える」と演技中の一つひとつの場面で考えることを決めておいたそうです。

 

これは人は完全に無になることは難しいし、また転倒などの突発的なアクシデントが起きてしまった際に、ふっと集中が途切れてしまうこともあるため、そうならないための準備です。例えば「このスピンが終わったら、このことを考えて」、「この曲の部分ではあのことを考える」というように演技中に考えることをスケジューリングしていき、そうすることによって余計なことを考える隙間を無くしたそうです。

 

結果はもうご存知の通り、その準備の効果もあってオリンピックという大舞台で集中力を欠くことなく最高の演技をして金メダルという最高の結果へと結びつけました。ちなみに演技中に観客の声が聴こえたのは、点数に結びつかずにリラックスして演じることが出来るイナバウアーの場面だけだったそうですよ。

 

なるほどと思いました。集中を切らさないための準備。

 

自分自身を振り返ると仕事や勉強をしていて集中力が切れてしまうことはよくあるのだけれど、荒川選手のように「どうすれば集中力を持続させられるか」や「どうすれば切れてしまった集中力をスムーズに戻すことが出来るか」という視点を持ったことがほとんどなかったように思います。アスリートの一瞬の集中力とは種類が違うかもしれないけど意識していきたいテーマでした。

 

もうすぐソチですね。日本人選手の活躍に期待です!

金メダルへの道