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麻薬牛はどこへ行く?

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photo credit: anieto2k via photopin ccc

 

あまりマーケット関連の記事を書いていないので、とりあえずかなり簡単ですが。

 

上の写真のBull(雄牛)はマーケットでは角を下から上へ突き上げる動きから、相場の上昇が続いているマーケットのことを指します。反対に下落が続いているマーケットをBear(熊)マーケットと言って腕を上から振り下ろす動きから来ています。 

 

マーケットでは先を予測することがとても大事。でも過去に起きた経験からマーケット参加者が判断することもよくあることです。過去にあったことは時間の経過とともに忘れてしまいがちなのでメモしておきます。「あの時何があったかな」と思った時に、簡単に振返ることが出来るように。今年は4月の黒田氏による「全部盛り」の大規模緩和がターニングポイントなので主要市場を3月末の値と比較しました。

 

 

■主要市場の昨年度末からの動き■

  • 日本・株(日経平均3月末12,39712/15現在 15,403(+24.2%)
  • 日本・債券(10年)3月末0.560%⇒12/15現在 0.690%
  • 米国・株(SP500)3月末1,569⇒12/15現在1,775(+13.1%)
  • 米国・債券(10年)3月末1.850%⇒12/15現在2.866%
  • 独・株(DAX)3月末7,795⇒12/15現在9,006(15.5%)
  • 独・債券(10年) 3月末1.289%⇒12/15現在1.827%
  • 為替(ドル/円)3月末94.22円⇒12/15現在103.66円
  • 為替(ユーロ/円)3月末120.76円⇒12/15現在142.12円 

 

今年度はスタート4月の日銀黒田氏による「全部盛り」の金融緩和に世界中が度肝を抜かれました。日本のマーケット動向が世界の市場へこんなにも影響与えるなんて久々な感じ。日経平均株価はぐんぐん上げていき5月に一旦ピーク。その後ずっともみ合いが続いていましたが、ここへ来て株価、為替ともにまた勢いを取り戻してきました。一方の債券相場は4月は大混乱。大胆な緩和はマーケットの流動性を損ねる結果となり、ボラティリティがかなり高まりましたが、徐々に緩和効果も浸透してきました。ここ2週間位はまた少し動きが出つつありやや気になっていますが。

 

大きな流れで見ると景気は上向きつつあり、マーケットの環境も悪くない。ただそれを支えてきたのは世界的な金融緩和によるカネ余りであるということ。今、市場の注目は米国の金融政策 。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(緩和縮小)するのかどうかに注目が集まっていますよね。まぁこれについては、我々トレーダー、ディーラーは日々の動きが勝負なので注目せざるを得ません。ただこの議論は今月なのか来月か、それ以降なのかわかりませんが、どこかでは実行されることなので長期投資家はこの短期的な変動に一喜一憂せずにじっくりと構えるべきなのだと思います。

 

結局、蛇口をひねってお金をどんどん市場に投入したけど、無限には出来ないので、いつかどこかで蛇口を止める必要がある。そして溜まったお金をいずれは回収しなければいけない。そのタイミングを図るのが、各国の中央銀行の役割です。そのタイミングを間違えると、景気の腰折れを招くことにもなりかねない。機長である中央銀行総裁は景気という飛行機を上昇させすぎないよう、墜落させないよう金融政策で操縦して、最後はソフトランディングさせる必要があるのです。

 

それから日本でも日銀の追加緩和の話が少しずつマーケットで話題になりつつあります。米国のテーパリングの話が一旦済んだら次の焦点はそこかもしれません。個人的には今の日銀緩和はかなり強い麻薬だと思っているので、もしさらに薬の量を強めるとなるとその反動が心配です。日本経済という患者の体力が回復していれば良いですが、そうでなければ想像以上の混乱を招くか、いつまでたっても退院できない状況が続くのかもしれません。

 

最近のマーケットは景気が良くなっていることを表す指標が出ると、マーケットはテーパリングが早まるとの観測から株が売られて、債券が買われるという流れが起きていますが、通常の反応は株は買われて、債券は売られるはずなのです。これには個人的にはかなり違和感を感じていて、今の金融市場が「緩和」という「麻薬」の中毒になってしまっていることを表していると認識しています。

  

このような相場格言があります。 

強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく

 

今は「懐疑」か「楽観」か?

いずれにしても今の相場は「強い麻薬」を打っている「麻薬牛」であることの認識は必要でしょう。