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村上春樹氏とノーベル文学賞、そして走ること。

今日はノーベル文学賞の発表がありましたが、残念ながら村上春樹氏は選ばれませんでしたね。しかし世界に誇る代表的な作家であることには変わりありませんし、来年以降も十分にチャンスはあると思いますので期待しましょう。

  

それにしても村上氏の熱狂的ファンはすごいですよね。最近では、色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年が大ヒットしていましたが、小説を買うために列をつくったり、店頭から本が無くなって入荷待ちになる作家は日本ではなかなかいないですよね。

 

という私は、村上氏の小説をほとんど読んだことがないのですが、エッセイ集を一冊だけ読んだことがあります。その本は「走ることについて語るときに僕の語ること」です。

 

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

この作品は小説ではなく、作家「村上春樹」が自分自身について真正面から綴っている一冊です。決して健康本やランニング専門書といった類のものでもありません。そこには、村上春樹の「哲学」や「人生観」が書かれています。

 

もともと村上氏は大卒後にジャズクラブの個人経営をはじめ、20代でお店の業績も順調に伸びていったそうです。しかし30歳手前のある日、ふと「小説を書こう」と一念発起しすぐに行動に移します。当初は店の経営の傍ら、空いた時間で小説を書いていたそうですが、作家に専念するために、順調だったお店をスパッとたたんで、その道一本で生きて行くことを選ばれたそうです。

 

この本で村上氏は、「走ることによって小説が書けた」と語っています。

・走ることによって自分の心や肉体としっかりと向き合う。

・自分自身の感じたことをしっかりと受け止める。

・その過程の中で自身にとっての学びを発見する。

そのような村上氏の姿勢が描かれています。

 

既につかみかけた安定を捨て、作家という自分の腕一本でやっていく茨の道を選ぶことは、大きな決断であり、また作家という孤独な仕事は、自分一人で様々なことをマネジメントしなければいけません。それはまるで会社を興して、ヒト・モノ・カネのリソースが不足している中で、必死にやりくりしているベンチャー企業の経営者に似ているような気がします。

 

最近、経営者の方でマラソンやトライアスロンなどやられる方とても増えていますよね。日常で慌ただしく過ごしていると自分と向き合う時間は意外と少ない。ですが走っているときは強制的に自分と向き合うことになります。この時間は結構大事ですよね。何も考えず頭を空っぽにすることもできるし、過去にあったことを振り返ったり、将来や戦略を考えたりと思考を自分だけに、自由に使える貴重な時間です。

 

私自身も、仲間とワイワイ走るのも楽しいと思いますが、一人で黙々と走っている時間が好きです。しかし最近はなかなか走れていないので、生活にリズム感がなくなんだか追われているような感じがしています。いい機会なので、久々にこの本を読みなおして、モチベーション上げて、そして走ろうと決めました。

 

村上春樹氏ってどんな人なんだろうと関心のある方や、ランニングを始めようかと思っている方、もしくはランニングに興味はなくても、慌しい生活の中でふと自分自身を見つめなおしたいと感じていらっしゃる方におすすめの一冊です!

(ちなみに村上春樹氏はトライアスロンもされていて、新潟県の村上市で毎年9月に行われている大会に以前から出られているそうです。私も参加しましたが、昨年はいらっしゃいませんでした。残念・・・。)